底辺と口頸(こうけい)部がつぼまった容器。
口頸があまりつぼまっていないのは甕(かめ)という。
胴部の下半と上半で曲面の屈曲率の異なるもの、口頸から上部に直立した口唇部をもつもの、外湾した口唇部をもつもの、まったく口唇部を欠くものなど、さまざまな形態の壺がある。
今日知られる最古の壺は粘土でつくられ、素焼にした壺形土器である。
壺形土器の発生が世界でもっとも早かったのはティグリス・ユーフラテス両川流域のメソポタミアの平原と思われる。
ここでは紀元前7000年ころに麦類の栽培が開始されている。前6000年ころのジャルモ遺跡では大麦と2種の小麦が栽培され、家畜としてヤギが飼育されていた。
これに続く前5500年ころのハッスナ期のハッスナ遺跡、テル・サラサートなどからは細い口頸部のついた壺形土器が出土している。
いまから約7500年前、小麦などの栽培が普遍的になった地域では、穀類の種子保存容器として壺形土器が発達したものであろうと考えられている。
前5000年ころになるとドナウ川流域から地中海岸に農耕文化が伝わり、この地方でも壺形土器がつくられた。